SハイランドSE32他使用油の性状把握及び付着物等の組成分析 | マルシメ株式会社 – LPガス販売・ガソリンスタンド運営・石油製品販売、輸送、荷役・産業廃棄物収集、運搬

SハイランドSE32他使用油の性状把握及び付着物等の組成分析

カテゴリー : 分析の事例 , 石油製品の分析 ,
試料名 01:131 スーパーハイランドSE32、02:133 スーパーハイランドSE32、03:ベーンポンプ・ケーシング付着物、04:ベーンポンプ・ベーン付着物
採取箇所 タンク底部
採取日付 2013年3月
使用期間 01:1週間、02:1時間
分析目的 使用油の性状把握及び付着物等の組成分析

試験分析調査結果

1.使用油の性状

両使用油の性状に異常は認められない。

試料油 使用
時間
動粘度
40℃
色相 酸価
(HCl法)
水分
Vol%
夾雑物 試料
ビン
mm2/s ASTM mgKOH/g (蒸留法) mg/100ml 沈積物%
No.131 1週間 32.72 0.5 0.16 0.05未満 1.8 0.004
No.133 1時間 32.74 L0.5 0.12 0.05未満 1.7 0.002


*試料ビン沈積物:試料ビン底部に沈積している固形物の全量を捕集し、対試料油%で表示した。
なお、夾雑物は上述固形物を含まない上層油を用いて測定した。

*夾雑物量:0.8μmミリポアーフィルター

 

2.使用油ポリ瓶底部沈積物の分析

(1)沈積物の採取

試料油全量をビーカーに移し、ポリ瓶底部の沈積物を石油エーテルで洗い流し沈積物を採取した。

試料油 含有量%* 沈積物外観他 赤外吸収スペクトル所見他
No.131 0.004(5.1) 黒~褐色粉末、板状物 赤錆類,塩酸水に易溶(IRNo.01)
No.133 0.002(3.5) (両試料共磁性あり) 赤錆類,塩酸水に易溶(IRNo.02)

*(  )は沈積物と夾雑物の和を mg/100ml に換算した値

 

(2)沈積物の組成

試料油 組成
No.131 鉄錆(α>>βタイプ)>テフロン片
No.133 鉄錆(α>>βタイプ)

赤外吸収スペクトルの解析結果の概要は添付スペクトルに記載した。

 

 
IRNo.01:スーパーハイランドSE32使用油(131:2013.3.12.1週間使用)容器底部沈積物   IRNo.02:スーパーハイランドSE32使用油(133:2013.3.12.1週間使用)容器底部沈積物

 

3.ベーンポンプ付着物

(1)分析処理

ケーシング及びベーンの付着物をスパチュラで削りながら石油エーテル等で洗浄して回収した。

なお、付着物量の少ないベーンの付着物は石油エーテル分別のみ実施した。

 

(2)溶剤洗浄回収物の赤外吸収スペクトル分析

  • 両付着物とも石油エーテル可溶分は淡黄色の鉱油で、酸化劣化等の異常は認められない(IRNo.03,05)。
  • 両付着物の石油エーテル不溶分は黒色の粘着状物でほぼ同質の有機化合物が主体である(IRNo.04,06)。
  • ケーシング付着物・石油エーテル不溶分はほぼ100%クロロフォルムに溶け、不溶として僅かに黒色粉末が残る。このクロロフォルム可溶分は淡黄色粘着状物で、含窒素系ポリマー(例えばポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド系)と推定され、使用油とは関係のない成分である(IRNo.04)。
  • ケーシング付着物・クロロフォルム不溶分(微量)は磁性をゆする黒色粉末、塩酸水に容易に溶ける。また、ベーン付着物・石油エーテル不溶分(黒色粘着物)も塩酸水を加えると黒色は消失し、淡黄色粘着物になる。このことから、付着物の黒色化は微量の鉄紛(摩耗紛)によるものと推定される。

 

 
IRNo.03:ベーンポンプ・ケーシング付着物・石油エーテル可溶分   IRNo.04:ベーンポンプ・ケーシング付着物・クロロフォルム可溶分

 

 
IRNo.05:ベーンポンプ・ベーン付着物・石油エーテル可溶分   IRNo.06:ベーンポンプ・ベーン付着物・石油エーテル不可溶分

 

4.所見

  1. ベーンポンプのケーシングとベーンに付着した黒色物は以下のような組成でほぼ同質物である。
    鉱油(問題のない成分)>粘着状異物>>鉄紛
  2. 粘着状異物は使用油とは関係のないポリマーで、含窒素ポリマーの可能性が示唆される。この種のポリマーは接着剤やパッキン等に使用されていることもあるので、本異物の混入についてはベーンポンプの使用環境等の調査をお勧めします。
  3. 両使用油の性状に異常はなく、鉄錆等は以前に発生した錆類が更油時に剥離し混入たものと推定される。

 

参考:ベーンポンプ付着物・石油エーテル可溶分

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